重要文化財
旧大社駅本屋について
About
1912年(明治45年)の開通以来、出雲大社の表玄関として78年間にわたり旅人を迎えてきた旧大社駅。
1924年(大正13年)に竣工した2代目駅舎は、建築当初の姿のまま良好に保存され、
かつ鉄道興隆期の駅舎の姿を留めている数少ない建物であるとして、
2004年(平成16年)に国の重要文化財に指定されました。
旧大社駅は、東京駅・門司港駅と並び、日本に3つしかない「重要文化財の駅舎」です。

「近代和風建築」の美学と、
激動の時代を駆け抜けた鉄道の記憶。
100年の時を超えて愛される、
旧大社駅の真髄に迫ります。
建築の見どころ
Architecture
職人の技と誇りが、細部に宿る。
伝統的な和の風格と、
西洋の建築技術が溶け合う「近代和風建築」。
一つひとつの瓦や天井の意匠に込められた、
100年前から残る見どころをご紹介します。
外 観
西洋の「トラス構造」に、
和の「入母屋造」を融合させた
近代和風建築です。
内部空間
大空間の三等待合室、シャンデリアや貴賓室が
当時の華やかな賑わいを伝えます。
細部の装飾
屋根を飾る瓦や木材は、
一つひとつ表情が異なります。
屋 根
「機械割り土居葺」など、新旧の技術が結集。
伝統工法を受け継ぎ、
次の100年へその姿を繋いでいます。
保存修理に入る前の旧大社駅を
360°カメラを使用して、
高画質画像を撮影しました。
まるで旧大社駅の駅舎内にいるような
3Dビュー、VR映像をぜひご覧ください。
歴史と物語
History & Memories
100年の軌跡を、未来へ繋ぐ。
明治から令和へ。出雲大社の玄関口として、
数多くの人々を迎えてきた旧大社駅。
廃線の危機を乗り越え、市民が守り抜いた
旧大社駅の物語があります。
旧大社駅のあゆみ
初代開業から、2代目竣工、そして現在の
保存修理事業までのあゆみをご紹介します。
明治
鉄道の開通
明治45年、出雲に鉄道がやってきた
山陰線の終端駅として1912年(明治45年)に開業。門前町に近代の到来を告げました。
1913年(大正2年)に出雲大社へ向かう参詣道「神門通り」が開通。開通初年度に14万人だった乗降客は、開通翌年には33万9千人に急増しました。
大正・昭和
駅舎の誕生と隆盛
出雲大社参拝ブーム、
2代目大社駅の黄金時代
1924年(大正13年)、現在の駅舎が竣工。東京直通急行や臨時列車が次々と走り、全国からの参拝客で賑わいました。
蒸気機関車が、当時の人々の夢と活気を乗せて力強く走り抜けました。敷地内には、現在も昭和後期まで使われていた蒸気機関車が展示されています。(展示車種はD51)
平成
廃線と保存活動
鉄路の終焉と、文化財指定へ
国鉄分割民営化に伴い、1990年(平成2年)に廃線。78年の歴史に幕を閉じました。
駅舎を含めた跡地を大社町(現出雲市)が国鉄清算事業団から購入。2004年(平成16年)に価値が認められ、国の重要文化財へ指定されました。廃線後に行った建造物調査の際に駅舎の屋根裏で偶然発見された「棟札」は、重要文化財の附指定(重要文化財の価値を裏付ける資料)となっています。
令和
未来への継承
令和の大修理、100年の記憶を次代へ
旧大社駅は、建設から100年を迎え、各所の破損や耐震対策の必要が生じたことから、2020年(令和2年)より保存修理を開始しました。伝統工法を駆使し、大正の華やかな姿を未来へと繋ぎます。
2025年(令和7年)に新しく生まれ変わった大社駅の物語は続きます。
常時入館可
三等待合室
三等待合室は、三等車両の乗客が待合室として使用していた大社駅の中心をなす大空間です。出札室を中心に両脇に改札口が設けられ、天井は折上格天井(おりあげごうてんじょう)で仕上げられています。
和風建築では作り出せない空間は、屋根裏に「トラス構造」という柱のない西洋式の工法を用いることで実現しています。
常時入館可
一・二等待合室
一・二等待合室は、一等及び二等車両の乗客が待合室として使用していた部屋です。空間のつくりは、当時は高級品であったベニヤ板を使った腰壁や格天井を用いて、三等待合室に比べ上質な空間となっています。また床面は、マグネシウム由来のセメントによる「リグノイド塗り」が採用され、壮麗な装いとなっています。
特別開放日のみ
手小荷物扱室
乗客の手回り品である「手荷物」と客車に連結された貨車等で輸送する「小荷物」を取り扱う事務室です。荷物を受け渡しする窓口が、三等待合室側と駅南面の外側にそれぞれ設けられています。床面はアスファルトモルタルで仕上げられ、奥には荷物を留置する保管室がそのまま残されており、多くの荷物が行き交った様子がうかがえます。
特別開放日のみ
出札室
鉄道に乗車するための切符(乗車券など)を取り扱う窓口施設です。三等待合室の中にあり、4所の出札口と1所の電報取扱窓口、またホーム側には精算窓口が1所あります。令和の保存修理では、金属鉄格子や混雑を制御する制止柵を復元しました。和風を意識しつつ、駅舎のルールに則って設計された出札室の空間は、実務的にも意匠的にも駅舎の中心的な役割を担いました。
特別開放日のみ
貴賓室(応接室)
2代目大社駅の建設から約10年後の1935年(昭和10年)、出雲大社の玄関口としての性質上、皇室関係者や賓客の駅利用に対応するため貴賓室(応接室)が設置されました。事務室の一部を間仕切って作られた空間で、床や天井の仕上げ、壁の彩色や調度品など、一般用の待合室とは異なる格式の高い内装となっています。
公衆電話ボックス
古写真をもとに、建築当初の駅頭に設置された公衆電話ボックスを再現しました。当時は「自働(じどう)電話」と呼ばれていました。1908年(明治41年)の「鉄道院」発足までの明治政府の鉄道事業は、郵便、電信、電話などの通信事業を所管する逓信省(ていしんしょう)が担いました。多くの人が利用する駅は、その後もこれらの通信インフラを広く普及するための重要な拠点となりました。
獅子口-ししぐち
鬼瓦の一種である獅子口には鉄道の象徴「動輪マーク」が刻まれ、国の直轄駅であった格式を物語ります。
留蓋瓦-とめぶたがわら
使われている留蓋瓦(とめぶたがわら)は、ユーモラスな表情をもつ亀の形の瓦です。尻尾に蓑状(みのじょう)の長い毛がつく蓑亀(みのがめ)の造形を基調としながら、足や毛の表現、顔の表情などに変化をつけ、10体すべてを個性的に表現しています。
鴟尾-しび
蟇股-かえるまた
入母屋(いりもや)屋根
中央部から入母屋屋根を左右に張り出し、南北に左右対称となるよう構成されています。さらに、正面に向かって入母屋屋根を短く突出させることにより、重なり合う重厚な外観を作り出しています。
切妻屋根
伝統工芸「土居葺」
破風(はふ)の飾り
破風とは、屋根の妻側の端部のことを指します。破風の端部に取り付けられる破風板は、屋根の端を押さえ全体を安定させるとともに、屋根裏への雨水の侵入を防ぐ機能があります。 一方で、彫刻を施した懸魚(げぎょ)などで飾り、建物に華やかさや荘厳さを印象づけます。また、屋根の形状に基づき、入母屋破風や切妻破風、千鳥破風などをかたち造ることにより、建物の優雅さや威厳を表現する役割を持っています。
旧大社駅アクセス情報
Access
- 所在地
- 島根県出雲市大社町
北荒木441-3
- 開館時間:
- 9:00〜16:30
- 休館日:
- 水︎曜日
(当日が祝日の場合は翌日)
- TEL:
- 0853-53-5055
- 駐車場:
- 70台駐車可能
- 休館日・臨時休館
- イベント
- 無料開放日
ご来館の皆さまへ
重要文化財「旧大社駅」を安全に、心地よくお楽しみいただくためのご案内です。
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お手洗いについて
昭和初期の駅舎に復元していますので、旧大社駅の館内にお手洗いはございません。 隣接する「多目的棟」のお手洗いをご利用ください。
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ユニバーサル情報
すべての方に快適にご見学いただけるよう、以下の設備を整えております。
AEDあり、オストメイト対応設備あり、おむつ替えスペースあり、出入口スロープあり、授乳スペースあり、洋式トイレあり、車椅子貸出あり
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ご利用に際しての注意事項
- 火気の使用
- 文化財保護のため、敷地内での火気の使用はできません。
- 喫 煙
- 館内および敷地内はすべて禁煙です。
- ペット同伴
- 補助犬を除き、館内へのペットの同伴はご遠慮ください。
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その他
ベビーカーのままご入館いただけます。
| 一般(中学生以上) | 300円(税込) |
|---|---|
| 小学生 | 150円(税込) |
| 未就学児 | 無 料 |

































































































